整理屋は、法律家になりすまし、多重債務者を「債務整理してあげる」と言って現金をだまし取るヤミ金です。
整理屋とは
「あなたの借金を整理してあげますよ」といって近づいてくるのが「整理屋」ですが、高い手数料を取られるだけで、借金を整理することなどできません。
多重債務者は、借金の返済が難しくなり、最終手段として債務整理(自己破産や個人再生など)を検討するケースが多くなります。
整理屋とはそんな多重債務者を勧誘し、
「借金の整理をしてあげます。」
「返済を楽にしてあげます。」
「代理で借金を返済します。」
などと甘言を弄して近づいて、詐欺行為を行うヤミ金業者です。
債務整理のための手付け金などの手数料や返済費用を巧みにかすめ取る悪徳業者なのです。
彼らは弁護士や弁護士の代理人などになりすまし、多重債務者の弱みにつけこみ、巧妙にお金をだまし取ります。
整理屋は、もちろん弁護士資格や司法書士資格など持っていません。
ですが、あたかも資格を持っているかのように振る舞うので、借金に困り果てている債務者は容易にだまされてしまうのです。
そもそも法律に則った借金整理は、弁護士と司法書士にのみ認められた業務です。
弁護士資格や司法書士資格をもたない人間が、手数料を取って他人の借金整理をすることは認められていない犯罪行為なのです。
整理屋の手口
整理屋は、多重債務者の名簿を悪用して、ダイレクトメールやチラシ投函、携帯電話などで債務者を勧誘し、
「安い良い方法で、借金を整理してあげますよ。」
などと言って債務者に近づきます。
実際には弁護士資格を持っていないのですが、実在の弁護士や司法書士の名前を騙ったり、弁護士の代理人であると騙ったりして債務者を信用させます。
実在の弁護士や司法書士の名前を騙るわけですから、債務者は簡単に信用してしまい、債務整理を依頼してしまいます。
その後、偽の「受任通知」を債権者に送ったり、代理で返済するからという名目で、債務者から現金を受け取ります。
「受任通知」とは、貸金業者に対し、法律家が債務整理を開始した旨を伝える書類です。
この書類を送ることで、借金の督促・取り立てを止めたり、借金の取引履歴を請求したりすることが可能になります。
しかし実際には、受任通知を送るだけで手続きを行わず、債務者から手数料だけを支払わせます。
代理弁済については、債務者から毎月返済金を受け取り、それをそのまま自分のものにしてしまいます。
これに気づかない債務者は、延々と毎月の送金を繰り返すわけです。
さらに
「手続きにはまだ日にちがかかりますから」
「別途弁護士費用が発生しました」
などとあれやこれやと理由をつけては、債務者を欺いてお金を取り続けます。
弁護士や司法書士などの資格を持たない者が債務整理を行う行為は、弁護士法で禁止されています。
ですから、整理屋の行っていることはれっきとした犯罪行為です。
債権者(貸金業者)には、偽の受任通知が送られていますが、それは偽物なので、当然この書類には法的効力がありません。
整理屋は、この偽の受任通知を送付することで、時間稼ぎをし、その間に債務者をだますわけです。
当然、このような手続きで実際の債務整理が行われることはありませんから、借金問題が解決することはありません。
整理屋とグルの提携弁護士に注意!
さらに悪質なケースがあります。
これら整理屋と、実際の正規の弁護士がグルとなって、債務者をだます事件が多発しているのです。
グルの弁護士を「提携弁護士」といい、驚いたことに彼らは正式な弁護士資格を持った本物の弁護士なのです。
具体的には、弁護士の名義だけを整理屋に貸すケース、あるいは高齢になって検事を辞めて弁護士になった「ヤメ検」や、同じく裁判官・判事を辞めて弁護士になった「ヤメ判」などが、ヤミ金である整理屋と連携して債務者を食い物にするという大変悪質なケースです。
整理屋に名義貸しをする提携弁護士。
債務者を救済すべき立場にありながら、債務者を逆に追い詰める、許されざる存在です。
整理屋はなぜ弁護士の名義が必要かというと、貸金業規制法で、
「弁護士が債務整理事件を受任した後は、貸金業者は直接、多重債務者本人に取立てをしてはいけない」
という取立て規制が入っているためです。
弁護士の名前で通知を出せば、多重債務者が何社から借金を借りていようと、即取立てが止まります。
債務者は、それで「救われた」と思って、債務整理のための返済資金を、毎月提携弁護士の事務所に送るようになる。
そういうシステムです。
提携弁護士。彼らもまた、整理屋と同じく、手数料だけが目的ですので、いくらお金を払っても、いつまで経っても借金問題は解決されません。
整理屋に名義を貸す弁護士は、弁護士法の第二十七条に違反する行為を行っていることになり、二年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられることになります。
(弁護士でない者との提携禁止等)(1)何人も法律事件又は法律事務の受任に関して当事者その他関係人を特定弁護士に紹介・斡旋・誘引し、その対価で金品・饗応その他利益を受け、又はこれを要求してはならない。
(2)弁護士は、その情を知って第90条第1号・第2号又は第91条第1号に規定された者から法律事件又は法律事務受任の斡旋を受け、又はこのような者に自分の名義を利用させてはならない。
すなわち、この提携弁護士も、整理屋と同じく犯罪者であるということになります。
整理屋はもちろんですが、一部の弁護士の中にもこのような悪行を行う輩もいるのが現実です。
こんな整理屋や弁護士などにだまされないためにも、債務整理の依頼は、きちんとした信用のおける法律家を選ぶようにしてください。
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整理屋はなぜ逮捕されにくいのか?「紹介屋」の存在
整理屋と提携して名義貸しを行っている弁護士には、前述したように、ヤメ検(元検事の弁護士)やヤメ判(元判事)が多く、最近でも逮捕されている例があります。
また、整理屋の一部は暴力団とつながっていると思われます。
実際、悪質な提携弁護士を懲戒請求した場合、事件を担当した弁護士事務所には、その筋から嫌がらせの電話がかかってきたり脅迫的な文書が送られてくるというケースがあるようです。
整理屋にはいくつかのグループがあり、それぞれのグループには元締めの親分が存在して、法律事務所に整理屋を派遣しています。
派遣先の法律相談所の通帳の管理はほとんど整理屋がやり、上納金をグループの元締めに納めているわけです。
弁護士は名前を使わせているにすぎない。
法律相談所の実質的な経営者は整理屋なのです。
困るのは、弁護士業務広告の解禁(2000年10月1日)によって、こういった整理屋が逮捕されにくくなってしまったことです。
広告解禁前は、被害者に
「誰に弁護士を紹介されたのですか?」
と聞くことで、「紹介屋」の存在がわかりました。
貸金業やNPO法人の広告を打ち、集めた多重債務者を提携弁護士事務所へ紹介するのが紹介屋であり、紹介屋から紹介された提携弁護士の事務所には整理屋が入り込んでいることがわかったのです。
ところが、最初から提携弁護士の名前で広告を出すようになると、紹介屋が介在しなくなるので、その事務所がまともな弁護士事務所なのか、提携弁護士の事務所なのか、わかりにくくなります。
整理屋は、外部から見ると、法律事務所の事務員のようにしか見えません。
彼らはだいたい、「〇〇法律事務所 事務局長」というような肩書きの名刺を持っていて、実際、事務所の中のデスクに座っています。
素人がすぐに見分けられるものではありません。
そして、このような整理屋は高収入を得ているので、現状では、内部告発もほとんど期待できません。
これが、整理屋と提携弁護士の実状です。
整理屋の見分け方
送金サイトの長短
前述のように、整理屋は警察の力を持ってしても摘発しにくいという厳しい現実があります。
しかし、このような輩にだまされ続けるわけにはいきません。
整理屋は、債務者に対し、債権者(貸金業者)への返済と称して、毎月お金を振り込ませます。
債務整理を受任するや否や、現金を毎月送らせるわけです。
しかし、実際の債務整理作業は、地方裁判所への申し立て等時間のかかる手続きが必要になり、そのように早急に行えるものではありません。
ですから、債務整理の依頼後すぐに現金を要求してくることは、通常ありえないことなのです。
法律家に、いきなり返済金を求めてくるなど、早すぎる現金の要求を求められた場合、「整理屋ではないか?」と疑う余地があります。
こういった要求があった場合、これは怪しいと思ってみても良いでしょう。
広告に注意
また、整理屋の打つ広告に乗せられないことが大切です。
まず、消費者金融でカネを借りなければならなくなった時には、まず「都(1)・・・・号」という番号があるかどうかをチェックします。
これは、「貸金業の規制等に関する法律(サラ金規制法)」に則って、各都道府県知事が認める営業許可証のようなもので、「都」というのは都知事のことです。
ですから、神奈川では神奈川県知事(1)第×××号ということになります。
カッコ内の数字は、業者が3年ごとに行う更新の回数を表しています。
登録時に(1)が許可、(2)なら少なくとも3年間、(3)なら6年間は営業しているのです。
ということはカッコ内の数字が多ければ多いほど営業年数は長いと考えていいわけです。
次は「都金協・・・・」をチェックします。
これは全国の貸金業協会の登録番号を表しています。
協会には任意加盟となっていますが、正規の業者はこの番号を持っているのが普通ですから、広告に番号を載せているかいないかを店選びのポイントにします。
「もしかして整理屋?」
と思った時には、即座にきちんとした信頼できる法律家に相談してみることを強くおすすめします。
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