ヤミ金は、「名簿屋」から顧客情報の入ったリストを違法に入手して、融資の勧誘に使います。
ヤミ金の営業は名簿から始まる
ヤミ金融の仕事は名簿から始まると言っても過言ではありません。
大量の顧客名簿を集めてきて、それに載っているターゲットに電話をかけたりDM(はがき)を送りつけたりして、一人一人勧誘していくというのが、ステロタイプな手口です。
どうして、東京などの関東に集中しているヤミ金が、遠隔地である地方に住んでいる顧客予備軍の住所や携帯番号まで知っているのでしょうか。
ヤミ金融は、「名簿屋」から大量の多重債務者のリストを入手しているのです。
ヤミ金融の一番うまみのあるターゲットは多重債務者なのです。
借金返済がままならず、「多少危険なところから借りてでもお金を作らないといけない」と考えている人達が、狙われているのです。
現金を持ってない多重債務者をターゲットにしても儲からないのでは?と不思議に思うかもしれません。
しかし彼らの真の狙いは、多重債務者本人ではなく、その家族や知人からお金を取ることにあります。
ヤミ金融は、違法に個人情報を入手している
ヤミ金融は、初めに融資をするときに「審査に必要」と言って、借り手の氏名・住所・電話番号・勤務先の連絡先ばかりでなく、家族や親戚の住所・電話番号・勤務先などの個人情報を書かせているのです。
ヤミ金融に「知り合いから取るぞ」と脅された借り手は、死にものぐるいで親・兄弟・会社の同僚や上司など周りの人からお金を借り集め、ヤミ金融に返済します。
借り手は、いうなれば「集金マシン」となってお金を搾り取られます。
もちろん、親兄弟・親戚・会社の人などには、およそ支払い義務などありません。
ヤミ金融の本当の狙いは、このような何の責任も義務もない第三者なのです。
だからこそ、ヤミ金融は一般市民の敵なのです。
闇金の陰で、暗躍する名簿屋
名簿屋は闇金融に、「多重債務者名簿」「破産者名簿」「大手金融お断り名簿」などを売っています。
これらの名簿は、大手消費者金融などから流出したリストがブローカーの仲立ちにより名簿屋の手にわたったものと思われます。
このような手口を使って、個人情報が一人当たり10円~100円程度の値段で売り買いされています。
闇金融は、およそひと月に数十万円を払って、何万人もの個人情報をかき集め、顧客の勧誘に利用しています。
高金利契約と顧客情報の共有
ヤミ金融は、初めから自分たちのことをヤミ金融だと名乗るわけではありません。
むしろあえて「30万円を年利10%」で貸すなどと、消費者金融よりも低い利率で貸すかのようにだまして勧誘します。
ですが、いざ借り手側が「借りたい」と言うと、「あなたは多重債務者だから、審査が通らない」などと言っては、短期・小口の融資に持ち込もうとします。
初めから、他からたくさん借りていることを知っているので、「審査」など無く、最初に話していた低金利で貸す話もウソなのです。
そして、
「5万円だけなら貸してやる。10日後に利息1万円を加えて6万円を払えば完済になるが、利息を1万円払えば、10日間ジャンプすることができる。」
などと言います。
貸付額も支払額も小口なので、「それだったら支払いできるかも。」と思わされますが、これでなんと年利が730%の高金利となるのです。
「最低1万円なら何とかなる」と思っても、もともと多重債務のためお金が無いのだから、月に三回も利息を支払わないといけなくなれば、ついにはやりくりがつかなくなる日がやってきます。
返済が少しでも遅延すると、闇金の本性を出してきて「払え!」「お前は泥棒か!」と脅し始めます。
閉口していると、次は違う店から電話がかかってきて「4万円貸すから、一週間後に6万円返せば完済。利息2万円でジャンプできますよ。」と誘いかけてきます。
これで「助かった」と思わず借りてしまいますが、裏は闇金がグループの中で情報を共有していて、被害者を自転車操業に仕向けているのです。
顧客情報を管理する「情報センター」
実際にあったことですが、山口組系五菱会の闇金融グループでは、顧客情報を管理する「情報センター」を置いて、グループの中の闇金融店は、顧客について、他店舗からの借入・返済状況、警察・都の金融課・弁護士への相談などに関して情報センターに照会をしていました。
五菱会事件
出典:Wikipedia
情報センターの役目は、
第一に、顧客について貸し倒れの危険を判断するための情報を共有することです。
第二に、一つの店舗で獲得した顧客は全ての店舗で回していくという手口で収益を上げる目的です。
すなわち、グループ内のA店の利息をB店が融資してA店に払わせ、B店の利息をC店が融資してB店に払わせる・・・、というサイクルを繰り返します。
これをすることにより、初めに少しの貸し付けをしただけで、その後はグループ内で資金がぐるぐる回っているだけなのに、貸し付け元本は何十倍、何百倍にも拡大していきます。
元本が膨れあがれば、その金利でまた莫大な利益を上げられる、という仕組みです。
ヤミ金融「三種の神器」と関連業者
ヤミ金融は、暴力団の傘下で悪逆非道な取立てを行ってきました。
顔を見たこともない、地方の被害者を相手に、自分の素性を知られず逮捕される心配がないと思われる状況で、何度も何度も繰り返すうちに、人間としての本来の意識がマヒすることで行われていると思われます。
そんな行為が出来るようにする犯罪ツールが
- 他人名義(「飛ばし」)の携帯電話
- 他人名義の預金口座
- 個人情報を不正に入手して作られた名簿
です。
これらが俗に言う闇金融の「三種の神器」です。
振り込め詐欺にも共通して利用される「犯罪インフラ」です。
このような犯罪インフラを提供する関連業者として、他人名義の携帯電話や預金口座を売る「道具屋」(電話屋、口座屋)、他人名義の携帯電話をレンタルする「レンタル屋」などが存在します。
その背景には「名義を売る」一般人がいます。
青少年や学生・失業者、多重債務者などに小遣いを払って携帯電話や預金口座を作らせている、という話は以前からあった話です。
それが膨れあがったのが、2008年に起こったリーマン・ショックに始まる不況下で「派遣切り」が盛んに行われた頃に、増大した失業者やワーキング・プアなど生活苦に苦しむ人々がターゲットとされ、闇金融などが
「名義を売るやつはいくらでもいる。口座も電話も無尽蔵だ。」
と言い放つこともありました。
こうして「名義を売る」人達は、犯罪に手を貸すようにされていくのです。
道具屋は、実は人間そのものを、携帯電話や預金口座を作るための「ツール」として利用している、と考えられるでしょう。
ヤミ金の関連業者の検挙案件
(1)道具屋
2010年8月、他人名義の運転免許を利用して携帯電話の契約をしようとして詐欺未遂の容疑で検挙された「道具屋」グループは、新聞広告で約90名の「実行犯」を募集し、2009年2月以降におよそ5000台の携帯電話の契約をしており、道具屋のアジトから偽造の運転免許およそ900枚が押収された(「朝日新聞」2010年8月6日記事より)。
(2)レンタル携帯
本人確認を行わず、携帯電話を貸し出したとして携帯電話不正利用防止法違反の疑いで2010年2月に逮捕されたレンタル業者は、2008年12月以降、ヤミ金融業者らおよそ300人に携帯電話約600台をレンタルし、そのうち30台が振り込め詐欺事件に悪用されていた(「産経新聞」2010年2月17日より)。
(3)名簿屋
山口組系ヤミ金融グループに多重債務者のリストを売ったとして出資法違反の幇助容疑で2003年6月に逮捕された「名簿屋」は、「照会屋」「官報担当」「消費者金融担当」と呼ばれる三種類のブローカーから名簿を買い入れて、8年間に延べ300万人分の個人情報を仕入れていた(「読売新聞」2003年7月5日記事より)。
名簿屋が暗躍する背景とヤミ金利用者
名簿屋が暗躍する背景には、長期にわたりサラ金業界が数多くの多重債務者を作り出してきたと、いう実態があります。
名簿屋は、ヤミ金融利用者のリストも売買しています。
何度もヤミ金融に手を出す「リピーター」がいるように見えるのは、それだけ何回も同じ被害者がターゲットにされているという構図が透けて見えます。
ヤミ金融に限らず、振り込め詐欺も、同じような名簿を利用しています。
ですから、ヤミ金融との関係から完全に更正したはずの被害者が、数年も経たないうちに、今度は「債権譲渡を受けた」という架空請求を受けてしまうこともあるのです。
「お前、またヤミ金に手をつけたのか」と友人や家族に言われることがイヤで、促されるままに架空請求に支払って終わらせようとしたことがまたきっかけとなって、相手の要求が更にエスカレートし、恐喝を受けるままお金をやりくりしているうちに、再度ヤミ金融のくいものにされるというケースが後を絶ちません。
そうすると、道具屋に「名義を売った」被害者達のリストも名簿屋に流される可能性があり、次には自分自身が追い込まれる事態にはまりこむこともあるのではないか、と考えられるのです。
このような事態に陥ると、一つ一つを警察や自治体に連絡して解決を図ることは不可能です。
かく言う管理人も、身に覚えの無い架空請求に遭ってしまった経験がありますが(携帯電話に知らない業者から電話がかかってきた)、警察も消費者センターも自治体も全く取り合ってくれませんでした。
これが現実です。
ヤミ金に特化した法律家に相談するしかない
このように、闇金被害は警察や消費者センター、法テラス等に相談しても早期解決が図れないばかりか、まともに取り合ってくれないのが現状です。
ヤミ金被害に遭っている方は、ヤミ金専門の法律家にいち早く相談しましょう。
全国対応、無料相談、返済不要で即日解決してくれます。
一日でも早く相談して、心の重荷を降ろして下さい。
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