最近よく目にする「クレジットカード現金化」ですが、一体あれは何なんでしょう?業者の言う通りお得なものなのでしょうか?それとも危険なものなのでしょうか?
新手の「クレジットカード現金化」商法
クレジットカード現金化商法とは、利用者にクレジットカードのショッピング枠を使わせて商品を買わせ、その商品を転売することによって現金を作り、利用者の指定口座に現金を振り込むという手の込んだやり口です。
この手口が広まった背景には、2010年6月に施行された改正貸金業法の導入の影響が考えられます。
この改正貸金業法により、貸金業者の貸付額を利用者の年収の3分の1に抑える「総量規制」の導入、さらに貸付上限金利が20%に抑えられることになりました。
そこで、貸金業者の「貸し渋り」が顕在化し始めました。
これにより、それまで消費者金融などでお金を借りていた利用者が、お金を借りにくくなったため、闇金の新手の手口が横行し、こういった商法が浸透するようになったと考えられています。
改正貸金業法により、営業が困難になった一部の消費者金融業者の残党がこの商法に荷担しているという説もあります。
さて、闇金業者は、こうした一般庶民の弱みにつけこみ、様々な形で利用者にお金を借りさせ、暴利を得ているのです。
現時点で、この商法を取り締まる法律自体がなく「違法」ではありませんが、利用者にとってデメリットしかありません。
絶対に安易に手を出さないよう十分気をつけましょう。
クレジットカード現金化商法の手口
この商法は、ほとんど無価値のものをクレジットカードで買わせて、たとえば50万円でクレジット契約を結びます。
そうすると、カード会社から販売業者に50万円が振り込まれ、現金化されるわけです。
販売業者は50万円入ってきたうちの10万円を手数料で抜いて、40万円を多重債務者に渡します。
ところが、多重債務者は自分のカードで買ったことになっているわけですから、後日、クレジット会社から代金50万円とカードの手数料が請求されます。
現金は手に入ったものの、結局、10万円のマイナスです。
この手口では、10万円の利息を払っていることになります。
年利に換算すると、なんと235%を超える金利で借金していることと変わりありません。
この金利は、出資法上限金利20%を大きく上回る違法な金利であり、明らかな犯罪行為となります。
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キャッシュバック式クレジットカード現金化
2011年に逮捕された現金化業者のケースでは、一個120円程度のおもちゃのネックレスなどを、クレジットカードを使って百数十万円で購入させ、カード会社から入金される代金の一部を抜いて、客にキャッシュバックしていました。
また別の客には、プラスチック製で360円相当のネックレスなどを415万円で購入させ、カード会社からの入金からおよそ70万円を抜いていたということです。
この業者は、2006年から2011年までの間に、約750人の顧客から、約8,000万円の利益を得ていたと見られています。
要は「買取屋」と同じ手口なのですが、価値のある商品の現物を買い取る形態ではなく、あたかも物を売買したかのようにしてクレジット会社から現金を振り込ませ、その現金の一部を、手数料として自分の利益にする手口が横行し始めたのです。
よく注意して周囲を見渡すと、駐車場などに「カードで現金化」「クレジットで現金化」という宣伝看板があるのを目にしますが、その大半は違法業者です。
最近では、インターネットのホームページを使って堂々と顧客を集める広告手法もとられています。
この手口では、実質、年数百%もの高金利になります。
そういう業者の実態は貸金業者であり、やっていることは出資法違反の犯罪なのです。
腰の重い警視庁もさすがに看過できなかったのか、事実上のヤミ金であると判断して、出資法違反の容疑でこういった現金化商法の摘発に乗り出しています。
クレジットカード現金化、利用者は詐欺罪に?
クレジットカード現金化は、要するに高金利でヤミ金からカネを借りているのと同じです。
しかも、刑法第246条により利用者が詐欺罪に問われる可能性まであります。
便利だからといって、安易な利用は厳禁です。
消費者庁や消費者機構日本でも「儲け話に注意!」と、この現金化商法に引っかからないよう注意喚起しています。
「ストップ!クレジットカード現金化」キャンペーンの実施について|消費者庁
出典:消費者庁ウェブサイト
消費者のみなさんへ|消費者機構日本
出典:消費者機構日本
国民生活センターでも、利用しないよう呼びかけています。
「クレジットカード現金化」をめぐるトラブルに注意!
出典:国民生活センターホームページ
また、クレジットカード会社の利用規約では、そもそも現金化の利用を禁止しています。
規約違反が露見すると、クレジットカードは当然利用停止になります。
クレジットカード会社の規約には、規約違反のペナルティとして、「残高の一括請求」「カードの利用停止」「強制退会」などを挙げています。
「残高の一括請求」が来た時点で、返済金のやりくりが即パンクしてしまう人もいることでしょう。
そんなことになったら目も当てられません。
クレジットカード現金化を使うと、自己破産できない?
さらにリスキーなことに、支払いがパンクしたからといって、この手口を使ってしまうと、多重債務者の最後の手段である「自己破産」その他債務整理が出来なくなってしまうのです。
実際に、支払いが出来なくなってしまった人が、弁護士事務所に駆け込み、自己破産の申し立てをしたところ「免責不許可決定」を言い渡されてしまったという事例があります。
「免責不許可」とは、借金が消えないということです。
自己破産をするためには、「免責許可申立書」というお願い文を弁護士に出さなければなりませんが、これが弁護士側に認められないことが「破産法」に明記されているのです。
「クレジットカード現金化」を理由に「免責許可申立書」を提出しても、破産法第252条1項2号により「ショッピング枠を換金目的にした場合は「免責不許可」になってしまうのです。
クレジットカード現金化を使ってしまうと、裁判すら行ってもらえないという悲劇が利用者を待っています。
※ちなみに、同じく破産法第252条では、パチンコなどギャンブルによる浪費を理由に破産を申し立てても却下されてしまいます。
インターネットで堂々と広告宣伝
最近では、インターネットのアフィリエイト広告を利用して、クレジットカード現金化を堂々と宣伝したりもしています。
またこれをアフィリエイト(宣伝)して儲ける悪質アフィリエイターも存在するのです。
これには私事管理人も正直憤りを隠せません。
そんなアフィリエイターの中には、前述した「自己破産できない」件についても、
「弁護士にウソをつけば良い」
「裁判官にもウソを突き通せば大丈夫」
と無茶苦茶なことを薦めている輩まで存在します。
全く困ったものです。
インターネットの掲示板を使った広告手法も氾濫しています。
こういった掲示板も簡単に検索で上位表示されていますので、困ったものです。
試しに「クレジットカード現金化 掲示板」で検索をかけてみてください。
実に多くのサイトが上位表示されますので、驚いてしまいます。
こうしたホームページの広告や掲示板を見つけても安易に信用しないように十分気をつけるようにしましょう。
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