ヤミ金は取立てのためならなんでもします。白紙の委任状を書かせることはもちろん、公正証書の偽造まで行います。
公正証書を偽造する
ヤミ金は貸したカネを回収するために、まるで暴力団まがいの悪質な取立ての他にも、巧妙な手口を使います。
たとえば、借り手が不動産を持っている場合、カネを貸すときに不動産の根抵当権設定仮登記や賃借権設定仮登記などの書類を取ります。
なかには、土地や家の権利証を取り上げて、所有権移転に必要な売買契約書にサインさせているケースもあります。
これをやられると、闇金はいつでも借りた人の不動産の所有権の移転登記ができますので、期日までに借金を返済しないと、土地や家を取られてしまいます。
また、勝手に公正証書をつくられているケースもあります。
借金の際に借りた人から委任状を取っておいて、これをもとに「返済できない場合は強制執行も認める」という内容の公正証書を作ってしまうのです。
そうすると、サラリーマンやOLの人は、支払いが滞るとすぐに給料を差し押さえられてしまいます。
借り手が事業者の場合は内容白紙の債権譲渡通知書を取り、返済しないと借り手の取引先に対して債権譲渡通知書を内容証明郵便で送りつけます。
そうなれば、借り手は売掛金の回収ができなくなってしまいます。
また、手形や小切手を振出日白地で取られ、それを銀行に回されて不渡りを出したというケースもあります。
なぜ、そんな大切な書類をヤミ金に渡してしまうのだろうと思うかもしれません。
しかし、闇金に手を出す人は、ほかに借金できるアテのない人です。
すでに多額の借金を抱え、目の前に返済期日が迫ってくると、通常の思考能力が低下してしまい、ヤミ金でも何でも借りられるところから借りようという心境になってしまうものなのです。
日栄の執拗な督促電話
当サイトの管理人こと私ヤミ金課長は、若い頃にいわゆるブラックな会社でサラリーマンをしていました。
その会社は常に莫大な赤字と借金を抱えていて、従業員に何ヶ月も給料を払わなかったり、社会保険庁に社会保険を払わなかったり、平気で取り込み詐欺をしたり、という大変なブラック企業でした。
ちなみに、取り込み詐欺は上層部は指示を出すだけで、実行は係長クラスの社員にやらせてました。
その会社、最終的には大きな負債を抱えて倒産してしまうのですが、末期にはどこもお金を貸してくれないという状況に陥っていました。
そして、あの「目ん玉売れ!」「腎臓売れ!」で有名になった「日栄」からも当然の如く融資を受けていました。
毎月、月末になると日栄から返済の電話が矢の催促でかかっていました。
役員や経理部に電話がかかってくるだけなら良いのですが、全く関係のない部署にまで相手かまわず、しかも一日に何度も何度も執拗に電話をかけてきていたのを覚えています。
その他にもありとあらゆるところから融資を受けていたようです。
会社というのは、経営が苦しくなると、どんな危険な相手からでも融資を受けてしまうのだなと当時は漠然と思ったりもしたものでした。
とはいえ、その時はまだ電話だけで済んでいたので、社長もラッキーだったかもしれません。
従業員が多数いる会社に、ヤミ金業者が直接取立てに来るなどと考えただけでゾッとします。
事業者の方は特に、そんなことになる前に早めに法律家に相談して、被害の早期解決を図られるのが得策かと考えます。