ヤミ金業者や暴力団関係者が、NPO団体や被害者救済団体を名乗って、多重債務者をだまし、詐欺をはたらいたり、出資金を取ったり、高金利の貸付を行ったりするケースがあります。
悪質NPOの手口
NPO法人といえば、ボランティア活動や社会福祉活動など「良いことする」団体だというイメージが浸透しています。
もちろん、そういう団体が大多数だとは思いますが、中には注意しなければいけない「悪質NPO」が存在するのも事実です。
暴力団関係者や闇金の流れをくむ業者が、NPOの認証をもらっているケースがあるのです。
貸金業の登録審査もずいぶんと緩いものでしたが、NPOの認証は、それよりもさらに甘いのです。
ヤミ金業者はそれに目を付けて、内閣府、経済産業省、東京都などでNPO法人の認証をもらった上で、それを前面に押し出して、
「一人でお悩みではないですか」
「借金苦を解決してあげます」
などと勧誘します。
NPOとして、消費者センターに堂々とチラシを置いたりポスターを貼ったりしていた業者もあったほどです。
また、ヤミ金特有の手口である「紹介屋」を行っていたNPOもありました。
ボランティアを謳ってチラシなどで多重債務者を集め、その多重債務者を提携弁護士に斡旋して紹介料を受け取るという紹介屋によくある手口です。
提携弁護士から支払われる紹介料は、NPOへの「寄付金」という名目で支払われていました。
これによって摘発が難しくなるとともに、支払う弁護士側にとっても、寄付金として処理すれば税制上の優遇措置を受けることができます。
双方にメリットが生まれるという巧妙なやり方です。
悪質NPOの事例
有名な事件の中に、NPO法人「やまびこ会」事件があります。
「やまびこ会」は、有害排出物の発生を抑制することを可能にした「地球に優しい焼却炉」「環境問題に配慮した焼却炉」であるとする「やまびこボイラー」を米軍基地などへ販売することにより高収益が得られると説明し、高配当を約束して多数の高齢者などから出資金を集めました。
しかし、実は架空の焼却炉販売事業で、出資金を集めるだけ集めて、姿をくらましてしまったのです。
これにより、約800人、総額約15億円の被害を出したのですが、この「やまびこ会」も、NPO法人の認証を受けていました。
NPOを騙るのではなく、正式に認証を取っていたわけです。
実はこの事件に際し、弁護士が告訴状を警察に出していたのですが、「警察が告訴状を受理せず、仕方なく内容証明で送った」という事実があったのです。
そして、その一年後くらいに業者が捕まり、刑事弁護人がついて示談をした結果、当該弁護士が依頼を受けた被害者に関しては、被害金を全額取り戻す事ができたということです。
こういった詐欺犯罪では、「一回ターゲットにされた人がまた狙われる」というヤミ金同様のパターンが多いのです。
犯罪者の業界では、被害者リストは「カモリスト」と呼ばれ、犯罪者仲間で高額で売買されています。
この手口はヤミ金と全く同じです。
同様に悪事を働く者は、また別の場所で悪事を働きます。
一例を挙げれば、ある和牛預託商法の幹部は、かつてKKCの幹部でした。
被害者も加害者も連鎖するのです。
「やまびこ会」事件
引用元:特定非営利活動法人「宮崎文化本舗」
「和牛預託商法」
引用元:Wikipedia
「KKC」
引用元:Wikipedia
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