ヤミ金や特殊詐欺の活躍の場は都市部とは限りません。今では都市部はもちろん全国各地にその活動範囲は広まっています。
以下はつい最近の報道記事ですが、特殊詐欺被害が地方にまで広まっている例の一つとして目立つものがありましたのでご紹介します。
地方の町:「0田市で845万円 特殊詐欺被害」
下記は2022年3月末に発覚した、私ヤミ金課長の地元での詐欺事件の引用記事になります。
私ヤミ金課長が現在住んでいる土地は、鳥取県・佐賀県と並ぶ超過疎県のS県です。
以前は大阪市内に住んでおり、ヤミ金や消費者金融などはかなり身近な存在でした。
闇金融業者が基本的に彼らの活動範囲である地元(つまり都市部ですね)を中心に暗躍していた時代は随分昔の話になります。
今や彼らの活動は都市部のみならず、全国的に拡大を続けています。
70代男性の受けた詐欺被害(新聞記事抜粋)
同署によると、男性は1月下旬、携帯電話で
「サイトの解約手続き料として585万円を支払ってください。」解約しなければ裁判になります」
と言われ、電子マネーを購入し、利用に必要な番号を伝えた。
同中旬、解約には260万円が必要と言われ、電子マネーを購入し、利用に必要な番号が記入された証明書を東京都内2カ所の住所に送った。
電子マネーは 0田市、I雲市両市内のコンビニエンスストアの少なくとも16店舗で購入された。
2月中旬にかけた電話がつながらず同署に相談し、被害に遭ったことが分かった。
この事件を受けて、事件翌日に地元警察署が早速地元のコンビニエンスストアに配布したチラシが以下です。
この事件のコワい点は
- 「コンビニエンスストア」利用で多額の支払いが可能(ATM不要)
- この高齢者は総額「845万円」という大金を知らず知らずに支払っている
- 被害に遭った人は都市部ではなく地方の住人
- 詐欺の被害者の大半が高齢者
であるところですね。
ヤミ金・詐欺業者の活動範囲は全国に広まっている
闇金融業者は今から約20年以上前〜東京都周辺や関西、東海地方(特に中部地方の名古屋など)や九州北部(主に福岡)・北海道の都市部を中心に利用者を増やしてきました。
理由としては、ギャンブルの盛んな地域や歓楽街(競馬場や競艇場、パチンコ店の密集地あるいは風俗店の多い歓楽街)での利用者獲得が容易だったためです。
現在も変わらずいわゆる都市部を中心に存在していますが、従来型の「地域密着型」業者の割合は以前に比べて低くなる傾向にあります。
地域によっては警察当局の取り締まりが厳しくなったため、ヤミ金が絶滅に近い状態に追い込まれている土地も少なくありません。
その一方で、いわゆる従来型の対面方式での融資を行うヤミ金業者ではない「ネット集客型」の闇金融業者が増加する傾向にあります。
彼らの典型的な手法として増えているのが「ソフト闇金」などのネット集客型ヤミ金です。
それらは、パソコンやスマホを利用することで完結させることができる闇金融の手法です。
結果として店舗を構えて違法行為を行うヤミ金が減少してはいますが、反面彼らの活動範囲は全国へと広がっています。
ヤミ金の多い地域は・・?
私ヤミ金課長に情報提供してくれる司法書士事務所のお話しでは、ヤミ金の比率が多い地域は従来と大きな変化はないようです。
その内訳を大別すると
- 1位:東京都
- 2位:大阪府
- 3位:愛知県
- 4位:福岡県
- 5位:広島県
- (その他:宮城県仙台市や北海道の歓楽街ススキノなど)
になります。
いずれも人口の多寡、歓楽街や賭博施設の数に比例しています。
その被害事例も似通っていますが、最近流行りの「ソフトヤミ金」の増加も目立ちます。
集客方法は従来型に多い
- 「名簿屋から違法に入手した個人情報」の利用
- 風俗店やギャンブル常連客からの紹介
- チラシの配布
- 個人からの紹介
も多く残っていますが、やはり「ソフトヤミ金」などのネット集客が飛躍的に伸びている点が最近のヤミ金の特徴的手法です。
一般的な認識としてヤミ金が活躍する舞台といえば、都市部の歓楽街が一番に頭に浮かびます。
水商売にハマる人(アルコール提供店や風俗店のヘビーユーザー、女性に多いのはホスト狂い)が利用者の大半、という点は確かに変わりません。
しかしその活動範囲は都市部にとどまらず、全国に広がっていってるのが現状です。
ヤミ金・詐欺業者の活躍は全国に広がっている
上記の新聞記事の例からおわかりのように、インターネットやスマホの普及に伴い、ヤミ金・詐欺業者・ソフトヤミ金等違法業者の業界の地域格差は小さくなっています。
特に以前までヤミ金や詐欺業者が接触できなかった職種や年齢層・特に高齢者の被害が増えてきています。
ヤミ金・詐欺業者による被害は人ごとではない
従来型のヤミ金・詐欺業者に対する一般の人々の持つ印象として「自分には関係のない事、つまり人ごと」という感覚をもたれる方が大半だったことと思います。
今やそれは対岸の火事ではなく、ごく身近なものになってきていると警戒されるのが安全でしょう。
先日こんなことがありました。
私ヤミ金課長の母親は既に「高齢者」と呼ばれる年齢になっています。
そんな母親に「ガラケーはもうなくなるよ、そろそろスマホに慣れといた方がいいよ」というわけで最近スマホを持たせるようになりました。
あるとき用事があり、こちらからそのスマホに電話をかけました。
母は電話に出るやいなや(電話番号などの表示を見ずに会話を始めたのでしょう)、
「どなたさんでしたっけ?」
「どなたさんじゃなくってオレオレ!」
「あ〜あんたかいな」
「そうそう、オレオレ」
「あ〜なんか用事?」
というやり取りがありました。
(?・・これってこのまま「オレオレ詐欺」に持って行けるやつじゃん。)
こんな感じだと高齢者はコロッといかれてしまいますね。
(いやはや恐ろしい・・)
と思った次第です。汗
都市部以外のみなさん、地方のみなさん、ヤミ金や詐欺被害に遭わないようまた遭う人が出てこないよう日頃から注意して生活されることを心よりおすすめいたします。
ヤミ金・振り込め詐欺救済法の活用について
もしあなたが万が一「ヤミ金」被害や「振り込め詐欺」被害にあった場合どうすれば良いのでしょうか。
被害者を救済する法律がきちんとありますので、以下にリンクを貼っておきます。
是非ご参考にされてみてください。
「振り込め詐欺救済法の活用」(ヤミ金被害も含まれます。)
ヤミ金や詐欺業者の口座凍結の方法もお伝えしておきます。
もちろん被害に遭わないに超したことはありません。
しかし被害に遭った場合でも対応方法は色々とあります。
知っておいて損はないと思いますよ。
参考にしてみてください!