弁護士の中には、ヤミ金問題を解決するどころか闇金とグルになっている提携弁護士などもいます。危ない弁護士には十分気をつけましょう。
提携弁護士たちの悪行
「危ない弁護士の見分け方・見抜き方」をご説明する前にまず、これまで「整理屋」や「提携弁護士」によって、どのような被害が生まれてきたのか、具体的にご紹介しましょう。
たとえば、東京を中心に新聞の折り込みチラシで多重債務者を勧誘し、債務整理を違法に行っていた整理屋集団「消費者金融懇話会」のメンバー13人、および彼らと提携して月額50万円の名義貸料を受け取っていた元大阪弁護士会所属のN弁護士が、横浜地方検察庁によって逮捕された事件があります。
「消費者金融懇話会」とN弁護士は、一年半の間に約1,000人の多重債務者を集め、入会金や弁護士報酬の名目でおよそ2億5,000万円を集めていました。
N弁護士には、預かっていた債権者への返済金を横領していた疑いが生じ、東京弁護士会が綱紀委員会に調査を命じています。
また、東京弁護士会に所属するO弁護士も、整理屋から顧問料名目で月額30万円を受領していたことが明るみに出ました。
このケースでは、途中で整理屋がいなくなったために。債務処理を行うことが出来なくなったのです。
東京弁護士会には、債務者と債権者の両方からクレームが殺到しました。
これを受けて、東京弁護士相談センターのクレジット・サラ金問題担当弁護士が一斉相談会を開いて案件を引き継ぐことになりました。
その過程で、債務者が債権者に支払うために送金した金額のうち、約2億円を、整理屋とO弁護士が横領していたことが判明したのです。
O弁護士は、所有していた不動産を処分して被害者に弁償すると約束したのですが、不動産を処分する前にO弁護士は離婚して、不動産をすべて離婚する妻の名義に移しました。
そして、妻が不動産をすべて売却して蒸発してしまったのです。
弁護士会は被害対策弁護団をつくってO弁護士の破産申立を行い、破産管財人がO弁護士の妻を探し出して売却代金の返還交渉をしました。
その結果、なんとか不動産売却代金の半額を取り返して、被害者に配当することができたのです。
1999年6月から2000年7月にかけては、合計7人の提携弁護士が、警視庁や東京地検特捜部に相次いで逮捕されています。
2000年3月に東京国税局は、整理屋の「大谷グループ」と「コスモリサーチグループ」を、所得税法違反と法人税法違反の罪で東京地検特捜部に刑事告発していました。
それにより、東京地検特捜部は大谷グループ幹部二人とコスモリサーチグループ幹部一人を逮捕しています。
一連の逮捕者の中のM弁護士(東京弁護士会所属)は、1700人の債務を扱っており、債務者の居住地域は北海道から九州まで全国に及んでいました。
当時は、ここまで広範囲から債務者を集める事例は稀でしたが、弁護士業務広告が解禁され、加えてインターネットが普及した現在では、それが当たり前になってきています。
2000年7月に逮捕された、元東京高検検事のD弁護士は、二年間で約2,700件、総額89億円の債務整理の依頼を受け、10億円前後の報酬を得たと見られています。
危ない弁護士の見分け方・見抜き方
近年でも、このような提携弁護士が逮捕される事件が続いています。
2008年2月には、貸金業者から多重債務者の斡旋を受け、弁護士報酬の一部を紹介料名目に貸金業者に支払っていたとして、大阪弁護士会所属のK弁護士とT弁護士が弁護士法違反(非弁護士との提携)の容疑で大阪府警に逮捕されています。
他にも、2014年7月8日、I弁護士(東京)が非弁提携・名義貸しで起訴されています。
同日、M弁護士(第一東京)とY弁護士(東京)が相次いで同じく非弁提携・名義貸しで起訴されました。
「非弁提携・名義貸し」弁護士の検索はこちらのサイトから可能です。
最新情報が掲載されていますので、興味のある方はご覧下さい。
「弁護士懲戒処分検索センター」
出典:弁護士懲戒処分検索センターホームページ
これら以外でも、提携弁護士が逮捕・起訴される事件は後を絶たず、弁護士だから信用できるとは言い切れなくなっています。
したがって、依頼する側はしっかりと弁護士を見分けなければなりません。
第一に、素性のよくわからない第三者(紹介屋かもしれない)から紹介される弁護士には、注意してください。
それから、利息制限法による引直計算をしないとか、破産になった場合に、破産審尋や免責審尋の期日に弁護士が裁判所に出頭しない、といった場合も要注意です。
費用が高額なのにその理由が明確でない、途中経過を聞いてもあまり教えてくれない、そんな場合も、即、弁護士会に相談に行かれた方が良いと思います。
そして、分割払いで事件を扱いながら、延々と分割金を支払わせ続ける弁護士も怪しいです。
分割金はそれまでの貸金業者への月々の返済合計額より、少し安い金額に設定します。
そうすると債務者も、若干楽になった、助けられた気分になります。
しかし、危ない事務所では、事件がいつまで経っても解決せず、毎月の分割金を延々と払わせ、利益を得ようとするわけです。
気がついたら、法律事務所に何百万円もの金額を支払っていたというような被害もあります。
弁護士費用については、弁護士会の法律相談センターなどが定めている「弁護士費用基準」というものがあります。
「弁護士報酬ってなに?」
出典:日本弁護士連合会
「弁護士費用基準」を大きく上回るような場合は要注意と思うべきです。
提携弁護士に特に注意
Kという提携弁護士が、弁護士会からの退会命令処分を受けたことがあります。
事務所に弁護士はK一人だけなのに、アルバイトを含めて100人近くの事務員を雇い、約7,000人もの債務整理事件を扱っていたのです。
このケースでは、多重債務者からの預かり金のうち、約5億5,000万円の返還が不能となっていました。
つまり、5億5,000万円を”抜いて”いたわけです。
被害に遭った多重債務者らの破産申立により、K弁護士は、東京地方裁判所から破産宣告を受けました。
K弁護士は、弁護士業務広告解禁後に、大量の広告を打って債務者を集めた典型例です。
実際、彼の事務所は、JR、私鉄、地下鉄、都バス、一般紙、スポーツ新聞、週刊誌、漫画雑誌、インターネットなどで大量の広告を打っていました。
弁護士会などが、いま巷にあふれている弁護士業務広告に注意してほしいと訴えているのは、このような事例があるからです。
ちなみに、K弁護士に退会命令が出た時には、整理屋グループの元締めが事件担当弁護士のところに脅しの電話をかけてきたという事実があります。
その電話の内容は
「私は悪徳弁護士を追放する会の会長だ。K弁護士の懲戒請求が気に入らない。Kはヤクザも助ける本当の弱者の味方だ。なぜ懲戒しないといけない。金持ちしか相手にしない悪徳弁護士は他にいるじゃないか。」
というものだったそうです。
いまでも整理屋グループは横行しています。
そして、前述したように、弁護士業務広告解禁後は、摘発がきわめて難しくなっているのです。
また、闇金被害の事件に得意でない、あまり扱った経験がないという弁護士・司法書士に依頼した場合、事件がいつまで経っても解決しない、介入することでかえって被害を被る(事業者の場合、手形や小切手を銀行に回されてしまう)などといったこともあり得ます。
ヤミ金問題に強い弁護士あるいは司法書士を選ばなければ、ヤミ金問題をスムーズに解決に導くことはできません。
提携弁護士の末路
債務整理事件を、大量に、かつシステマティックに取り扱っている事務所は、専らビジネスとしてやっているので、その人の生活がどうなろうと関係ありません。
特に、過払い金請求事件などは早く現金を回収しやすいものです。
(過払い金請求自体が過去のもの、と考えておられる方も多いかと思います。しかし過払い金返還請求は、現在でも進行中です。そのピークは過ぎた感はありますが・・。例えば2022年時点で貸金業者との取引が継続中の債務者が過払い金を請求する権利は2032年まで続きます。過払い金返還請求の時効は、貸金業者との最終取引から10年間継続するからです。)
したがって、多重債務に苦しむ人の相談を受けるよりも、過払い金が取れそうな事案だけを優先的にチョイスして、受けていく傾向があります。
司法制度改革で弁護士の数が急増したため、過当競争で思うように仕事が得られず、経済的に苦しい状況に置かれる弁護士が増えています。
そういう弁護士にとって、過払い金請求事件というのは手っ取り早いビジネスなのでしょう。
また、ヤミ金問題を積極的に取り扱っている弁護士事務所及び司法書士事務所は非常に少ないという事実があります。
ヤミ金問題は、「取り扱いが厄介でその上儲からない」というのが主な理由です。
それでもヤミ金問題を積極的に扱っている事務所は、ビジネスライクでない、義侠心が強い、正義感が強い、信頼のおける事務所と言えます。
だからこそ、闇金問題を扱っている事務所は信頼できるのです。
最近では、かつてヤミ金問題を扱っていた法律事務所がヤミ金問題から撤退することが増えています。
有名な「弁護士法人サルート法律事務所」や
「東京ロータス法律事務所」
「ジャパンネット法務事務所」
「アヴァンス法務事務所」
「ロズ法務事務所」
などがその例です。
これらの事務所は、ヤミ金案件に強く、数々の闇金を廃業に追い込んだ有名な事務所ばかりです。
しかし、代表者の高齢化や、闇金事件のあまりの苛酷さに心身共に疲弊してしまった、という厳しい事実があります。
これは致し方のないことかもしれません。
話がそれましたが、危険な弁護士に話を戻します。
そして、再三述べているように、弁護士が反社会的なグループと背後でつながっていることが重大な注意点です。
しかしある意味では、提携弁護士もかわいそうな面があるのです。
中には最初は月に200万、300万円の名義貸料をもらっていたのが、だんだん整理屋グループからアゴでこき使われるようになり、最後は50万円くらいに値切られたあげく、弁護士会で非弁提携が問題になった後、自殺してしまった提携弁護士もいます。
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まとめ
危ない弁護士の見分け方は、依頼する前に判断することは難しい面がありますが、ここでまとめてみようと思います。
- 知らない第三者から紹介を受けた弁護士
- 利息制限法による引直計算をしない
- 弁護士が裁判所に出頭しない
- 事件を解決せず、報酬を延々と払わせる
- 報酬が相場より高い
- 報酬が高い理由を説明してくれない
- 事件解決の途中経過を教えてくれない
- 事務所に事務員ばかりが多い
- テレビや新聞などで大量広告を打って宣伝している
以上のような弁護士には事件を依頼しないこと、もし依頼してしまって途中で疑問を感じたら遠慮無く解任してしまうことが大切です。
「危ない弁護士の見分け方・見抜き方」については、以上のような特徴が挙げられますが、法律家を選ぶ上で何よりも重要なのが「ヤミ金問題に強い事務所」であることです。
ヤミ金問題を積極的に取り扱っている、そして闇金問題に強い弁護士・司法書士を選んで依頼することが最重要です。
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