事業主・経営者もヤミ金に狙われている

闇金は、個人だけではなく事業者もターゲットとして狙っています。どんなに資金繰りが苦しくても、ヤミ金だけには絶対に手を出してはいけません。

経営者を狙う、危険な「つなぎ融資」

最近の闇金は事業者もターゲットにしており、会社の運転資金を調達するためにヤミ金に手を出してしまうという被害も増えています。

特に中小・零細企業のなかには、業績が低迷したままで資金繰りが厳しい状態が続いているところも増えています。

一方では、銀行などの「貸し渋り」により融資を受けるのも簡単ではないという事情があります。

このような状況の中、その場しのぎの資金調達先として、簡単に融資してくれる闇金に引っかかってしまう事業者が増えているのです。

闇金業者が事業者に対して行う手口は以前からある「システム金融」、最近目立って増えているのが「ファクタリング闇金」などです。

会社を経営していると、20日後には売掛金が回収できてまとまったカネが入ってくるのに、手形の決済日が10日後に迫っており、その資金繰りがどうしてもつかないという場合がよくあります。

たとえば、10日後に200万円の手形を決済しなければならないが売掛金250万円が入ってくるのは20日後という場合、200万円の手形を決済できなければ手形は「不渡り」となり、事実上経営を続けることは難しくなります。

そんなとき、経営者は手形の決済資金200万円を借金し、250万円の売掛金が入ったら借金を返済するという方法を取ります。

これが「つなぎ融資」といわれるものです。

闇金の金利が高くても、手形決済の10日後には売掛金が入ってくるのですから、そこから返済すればいいと思うかもしれません。

しかし、「10日で3割」という金利でヤミ金から借りた場合、10日後に返済しなければならないのは利息分を含めると260万円となり、これは入ってくる売掛金の額を超えてしまいます。

また、売掛金が予定通り入金されないケースも考えられます。

そうなると、ヤミ金から借りた200万円を返済するために、さらなる「つなぎ融資」が必要になってきます。

「つなぎ融資」が一概に悪いというわけではありませんが、闇金のような高利の融資に手を出してしまうと、その後も同じようなことを繰り返さなければならなくなる危険性が高くなるのです。

冒頭にご紹介した「システム金融」や「ファクタリング闇金」は、まさにこの手形や小切手を担保に融資する仕組みですから、闇金業者は事業者の弱みをよく知っているのです。

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一度食いついたら離れないヤミ金の罠

「つなぎ融資」で闇金に手を出した事業者が闇金地獄から逃れられなくなるのは、巧妙なヤミ金の手口でもあります。

前述した例で言うと、きちんと売掛金が入金されて、10日後には元本と利息を合わせて借金を一括返済しようとしても、闇金の方が返済を受け付けない場合があります。

「利息だけ払ってくれればいいよ。オタクも資金繰りが苦しいだろうから、元本の返済はあとでもいいよ」

などといって受け取らないのです。

そこで引き下がると、また10日後に高い利息を払わなければならず、そのうちに利息を払うために別のヤミ金から借金せざるを得なくなってしまいます。

また借金を返済しにいくと、いったんは全額を受け取りながら

「オタクもまだまだ資金繰りが苦しいだろうから」

といって、今度はもっと多額の借金をすすめようとします。

このようにして、徐々に融資額を増やしていこうとするのです。

このようなやり方は、一度引っかかった「カモ」は決して逃すまいとする闇金の手口です。

たとえ返済できる見込みのある「つなぎ融資」であっても、ヤミ金に手を出すとなかなか縁を切ることが難しくなるのです。

待っているのは倒産の道

闇金からの借金は、あっという間に数倍、数十倍に膨れあがります。

そうなってしまうと利息を払うだけでも大変で、すぐに利息を返済するために別のヤミ金から借金するという状態に陥ってしまいます。

このような状態になっては、もはや資金繰りのつけようがありません。

結局、資金繰りは破綻し、倒産してしまうことになります。

どんなに資金繰りが苦しくても、絶対に闇金には手を出してはいけない。

これを肝に銘じて下さい。

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