「被害回復給付金支給手続き」制度を活用することで、ヤミ金から被害金を取り戻すことができます。検察庁のホームページをチェックしてみましょう。
被害回復給付金支給手続きとは
2006年12月から施行された被害回復給付金支給法(犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律)は、刑事裁判でヤミ金融から没収した金銭を、「給付資金」として保管し、その中からヤミ金融事件の被害者に対して「給付金」を分配する制度です。
手続きの実施主体は検察庁であり、所定の書式を検察庁に提出して申請することができます。
要するに、ヤミ金や振り込め詐欺グループから警察が金銭を没収できた場合に、被害者に対してこれを分配できるという制度です。
これまで、ヤミ金や振り込め詐欺グループが逮捕されても、その犯罪で得た金銭の没収は禁じられていました。
しかし、組織犯罪処罰法の改正(2006年12月1日)により、ヤミ金や振り込め詐欺グループの行った犯罪やいわゆる「マネーロンダリング」が行われた場合には、刑事裁判により、犯人から該当する金銭を没収することが可能になりました。
この、犯人から没収した「犯罪被害財産」を「給付資金」として保管し、その中から被害者に分配支給することができるようになったのです。
直近では、2010年5月から2017年3月までに、全国の検察庁でこの手続きが36件実施されています。
「被害回復給付金制度」手続きについて
そのヤミ金融からの被害者かどうかは、多くの場合、そのヤミ金融が利用していた口座に振り込んで被害を受けたかどうかで判断されます。
個々の被害者に手続き開始の通知がされるわけではないので、検察庁のホームページで確認してください。
出典:検察庁
この手続きでは、申請する被害額は、貸付け額を差し引く必要はありませんが、損害賠償などで補填を受けた金額は差し引いて計算することになるので注意しましょう。
支給手続きが開始されれば、所定の期間内に申請書に必要事項を記入し、被害の詳細を示す資料、本人確認のできる書類(運転免許証等)などを添えて、最寄りの検察庁に提出(郵送可)してください。
書式は、最寄りの検察庁でもらうか、検察庁のホームページからダウンロードすることができます。
申請期間は約60日ですので、所定の期間内に行うように注意しましょう。
申請を個人で行うことはできないことではありませんが、申請書類等の手続きなど難しい面がありますので、専門家である弁護士の助言を受けることをおすすめします。
尚、未成年者の親権者や成年後見人等の法定代理人は、代理人としての手続きを行うことができますが、それ以外の場合は弁護士のみが代理人として手続きを行うことができることとなっています。