とても簡単にお金を貸してくれるヤミ金。簡単だからと言って一度でも借りてしまうと大変なことになります。
誘う、脅す、証拠を残さない巧妙な手口
ヤミ金の被害者は、初めから闇金に手を出すわけではありません。
借金地獄の始まりは、私達がよく見かけるようなクレジットカードやサラ金などからの少額の借金なのです。
管理人も同じなのですが、社会人になってからの初めての借金はやはりクレジットカードでした。私のまわりの人達もほとんどがそうです。
クレジットカードのキャッシングならカンタンに借りることができますので、軽い気持ちでほんの数万円を借ります。
しかし、あまりに簡単に借りることができるため、いつの間にか借金の額が増えて、気がついたら限度額いっぱいになってしまいます。
管理人にも何度も経験があります。
そのような人が、次に利用してしまうのが「サラ金」、消費者金融です。
大手のサラ金ともなると、毎晩明るく楽しいテレビCMなど派手な宣伝広告をしていますから、抵抗感なく借りてしまいますよね。
しかし、サラ金の金利は、20%を超える場合もあり、銀行などの融資に比べ高いのが現状です。たくさん借りてしまうと、利息分の返済だけでも大変です。
そのため、ここでも借金の額が増えてしまいます。
大手のサラ金は無制限に貸してくれるわけではありませんから、1社から借りられなくなると借入先は2社、3社と増えていきます。
そのうち、大手がどこも貸してくれなくなるので、今度は審査の甘い中堅・零細のサラ金から借りるようになってしまいます。
多重債務者の多くは、借入先が10社以上になってしまっている人も珍しくありません。
しかし、ここまでくると毎月の返済だけでも大変ですし、サラ金もどんどん貸してくれなくなります。
そして、ついにヤミ金に手を出してしまうのです。
サラ金の顧客情報(名簿)を元に勧誘される
では闇金は、どうやってそのような多重債務者に狙いを絞ることができるのでしょうか?
ヤミ金同士の間では、多重債務者の顧客情報が売買されており、これがヤミ金の「飯のタネ」となっていますが、実はサラ金からも顧客情報がかなり流れているのです。
実際に、誰がどのくらいの借金をしているかという顧客情報を専門に売買する業者(名簿屋)がいて、そのような業者から闇金は「1人(あるいは1社)の情報につきいくら」という形で顧客名簿を買っているのです。
ヤミ金は、業者から買った顧客情報をもとにダイレクトメールや電話で勧誘してきます。
ただし、借金の勧誘の際に提示する金利は実際よりも大幅に低く言って来ます。
出資法の上限金利である20%の範囲内におさまっているどころか、それよりもずっと低い金利が書いてあるケースがほとんどです。
たとえば、「年利10%以下」とか「年利15%以下」など、サラ金よりも低い金利で勧誘してきますが、これは全くのウソです。
その他にも、「即日融資OK」「電話1本で借りられます」など、借金に苦しむ人達の心理状態に訴えかけるような甘い謳い文句をダイレクトメールの中にちりばめています。
そのような謳い文句や金利の低さに釣られて電話をすると、
「大丈夫。簡単に借りられますよ。」
「とりあえず事務所に来て下さい。」
などと誘い出すのです。
書類の偽造、ウソの領収書、何でもするヤミ金
ヤミ金の勧誘にのって事務所に行くと、事前に説明を受けた内容とは話が急に変わります。
「DMには金利が年7%と書いてあるけど、あなたは多重債務者だから、その金利では貸せません。ただし、特別に1週間で2割の利息なら、5万円だけ貸してあげますよ。」
などと、ダイレクトメールや電話とは全く違う条件で貸そうとします。
借金を借りに来た人が
「話が違うので帰ります。」
と言っても、簡単には帰してくれません。
事務所にはたいてい何人かの社員がいて、借金を断ろうとすると担当者以外の社員も出てきて引き止めにかかります。
帰ろうとしてもドアの前に立ってジャマをし、そのうちに
「ウチの事務所に来た以上は借りてもらう。」
などと乱暴な口調になってきます。
しまいには、ほとんど脅しに近い形で借りざるを得ない状況に追い込むのです。
そして、申し込みに来た人が仕方なく借金することを承諾すると、借入申込書の他にも色々な書類に署名捺印させます。
これは、何かというと、公正証書を作るための白紙の委任状、借り手が事業者なら内容が白紙の債権譲渡通知書、また自宅を持っている人には自宅についての賃貸借契約書なども書かせます。
さらには、賃借権設定の仮登記の書類や、所有権移転の仮登記の書類を書かせることもあります。
このように、きわめて多くの書類を書かせ、印鑑証明書を取ってこさせます。
しかも内容はほとんど白紙ですから、返済が滞った場合には、これらの書類を
「いつでも使えるんだぞ!」
と脅します。
また、借金の契約書である金銭消費貸借書には署名捺印をさせますが、借金をした人には書類を渡しません。
違法な金利での借金に関する証拠を残さないためです。
さらに、たとえば5万円を借りるということになっても、実際に5万円すべてを受け取れるわけではありません。
事務手数料だといって1万円引いたり、書類作成料だからといって5,000円引いたりと、さまざまな名目で現金を差し引かれます。
結局、5万円借りたことになっていても、実際の受取額はそれよりも少額でしかないのです。
ところが、借りた人からは5万円の領収書を取り、その後、返済のトラブルなどが生じた時の証拠にします。一方で、事務手数料や書類作成料などの領収書は渡しません。
このように、闇金は、借り手にはいっさいの証拠となる書類を渡しません。
このため、あとで警察に相談しても客観的証拠がないからと、なかなか動いてもらえないという問題が生じてきます。
それこそがヤミ金の狙いなのです。
ヤミ金自身も違法だとわかっている
闇金は、自分たちが犯罪行為を行っていることを知っててやっています。
出資法に違反した金利でカネを貸し、逮捕されると刑事罰が科されることがわかっていながら、商売しているのです。
ですから、できるだけ警察に摘発されないように、刑事罰を受けないようにするために、証拠を残さないような巧妙な手口を使っているのです。
もし万が一、ヤミ金に引っかかったなと思ったら、何でもいいですから証拠となるようなものをできるだけ残しておくようにしてください。
弁護士や司法書士に相談する際に、その後の対応に大きく影響してくるからです。
ヤミ金の手口は年々巧妙化している
そして、ヤミ金の手口は最近の振込詐欺なみに年々巧妙化してきています。
以下は、金融庁がホームページに掲載している実際の体験談です。
最近のヤミ金の手口がよくわかり、参考になるかと思います。
なんだかんだと理由をつけて、手口が巧妙化してきているのがおわかりになるかと思います。
金融庁サービス利用者相談室「貸金業に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」
出典:金融庁ホームページ
手口としてどう考えてもおかしい点が、カネを貸す前に様々な理由を付けて逆に前金を支払わせていることですね。
このように、ヤミ金の手口も法の隙間をついて色々と変化、巧妙化してきています。
また、勧誘時の対応も以前と比べて格段に「優しく」なってきています。
まっとうな会社じゃないのではないか?おかしい?と思ったら、上記のような情報で事前に調べる等、十分に気をつけて行動するようにしましょう。
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