金貨金融は、実質ヤミ金なのですが、金券ショップを装う悪徳業者です。
金貨金融とは
ヤミ金には、オーソドックスな方法として高金利でお金を貸し付ける以外にも、数多くの手口があり、年々新しい手口が生まれています。
その手口の一つとして最近現れたのが、「金貨金融」と呼ばれる新しい闇金の手口です。
金貨金融は、実質「ヤミ金」なのですが、貸金業としてではなく「金貨ショップ」として活動しており、違法な高金利で利益を得る業者です。
一般的な闇金とは違い、利用者に直接現金を貸し出すという手法ではなく、「金貨」を換金させるという方法で借金をさせます。
現物を換金させる手法をとることで、「換金闇金」と称されることもあります。
金貨金融の手口
金貨金融ヤミ金は、「金貨ショップ」として利用者に金貨を販売しますが、ここで利用者が現金を支払うことはありません。
掛け売りすなわち「ツケ」で金貨を買わせます。
この金貨販売金額は、実際の金の市場価格相場より高い値段で販売します。
そして販売した価格と実際の価格との差額を利益として不当に入手します。
金貨金融ヤミ金から金貨を買った利用者は、その金貨を別の金貨ショップに持ち込み、売却することで現金を手にすることができます。
利用者はここで一旦現金を得ることができますが、結局はその後、その現金以上の請求が金貨金融ヤミ金(最初に購入した金貨ショップ)から来ることになり、結果多額の返済をすることになります。
形式は物品販売という形を取りますが、実質はヤミ金からの借入と同じです。
例を挙げて説明しましょう。
金貨金融の利用例
仮に利用者が「金貨ショップ(金貨金融ヤミ金)」で、110,000円で金貨を買ったとします(しかし、実際の相場価格は、71,500円)。
そして、この金貨の実際の値段は71,500円です。都合、金貨ショップは、38,500円の利益を得ることになります。
この時点での金貨購入代金は「ツケ」つまり掛け売りです。
後日金貨ショップから請求が来て支払うことになります。
利用者は現金110,000円を支払うことなく、金貨を手にすることができました。
次に、利用者は買った金貨を、違う金貨ショップに持ち込み、実際の相場価格の71,500円で売却し、現金として受け取ります。
金貨買取額の110,000円から、売却した71,500円を差し引いた38,500円が、金貨金融ヤミ金の利益となります。
その38,500円はイコール、利用者の借金となります。
そして、利用者には、1週間~9日後くらいまでに、金貨金融ヤミ金から110,000円の請求が来ることになります。
この現金を回収すれば、金貨金融ヤミ金には、38,500円の利益が発生し、利用者は実質38,500円もの利息を支払うということになるのです。
支払期日に、請求額の110,000円を支払うことが出来なければ、ヤミ金と同じく取立てに遭うことになります。
この例では、金貨金融ヤミ金が得る利益は、出資法の上限金利である年利20%を大きく上回る高金利となり、れっきとした犯罪行為と言えます。
9日で35%という金利は、いわゆる「トサン」(10日で三割)のヤミ金よりも高い利息を取られるということになります。
月利換算で約120%、年利にすると、なんと1420%という途方もない高金利となり、これがいかに暴利であるかは火を見るよりも明らかです。
類型的には、「クレジットカード現金化」商法に酷似した手口ですが、このシステムはいわゆる「換金ヤミ金」と呼ばれ、ヤミ金業者側の言い分として
「現金を貸したのではないから、闇金ではない」
という言い逃れができるわけです。
金貨金融は犯罪か?
金貨金融ヤミ金業者は、確かに金貨を販売しただけで、実際には現金の貸付を行っていないため、闇金なのか金貨ショップなのか、判断が分かれるところです。
実際にあった事例に、9日後の返済をしなかったとして、金貨金融業者側が利用者を告訴した実例があります。
2011年1月、札幌でのことです。
しかし、
さらに、同年6月27日には、金貨金融業者の男が、「出資の受け入れ、預かり金及び金利等の取り締まりに関する法律(出資法)」第5条(高金利)違反容疑で、札幌中央警察署生活安全課に逮捕されています。
>>「金貨金融業者の逮捕を受けての声明」
出典:札幌青年司法書士会ホームページ
また、同年6月29日、東京でも金貨金融業者の男二人が、出資法違反の疑いで警視庁に逮捕されています。
>>「金貨金融」業者を初摘発 警視庁、出資法違反で
出典:日本経済新聞ホームページ
裁判所が業者を「ヤミ金」と認めたことや、札幌と東京での逮捕事例から、金貨金融は違法、犯罪であると確定しています。
2010年には、金貨金融業者が、約215人の多重債務者に合計約7,480万円を貸付け、約1,870万円の不正利益を得ています。
このケースでも、法定利息の約83倍もの金利を利用者に課しており、犯罪行為であることは一目瞭然です。
上記、札幌の事件では、法定利息の約70倍にも上る、年利1,350%~1,442%もの利息を受け取っており、いずれの案件でも驚異の利息を得ているという恐ろしい実態が浮き彫りにされています。
金貨金融の対処法
金貨金融は、一般のヤミ金と同様にチラシやダイレクトメールなどで顧客を勧誘します。
「ブラックの方でもOK!」「破産者歓迎」「即日融資」などと謳い、多重債務者や破産やなどを甘い釣り文句で誘ってきます。
一見、ヤミ金業者には見えませんので、安全かな?と思いがちになりますが、実際は巧妙そのもののヤミ金です。
高金利を支払わされ、厳しい取立てを受けることを覚悟しなくてはいけません。
いかにお金に困っていたとしても、広告文句が魅力的だとしても、絶対に利用することのないように注意してください。
万が一被害に遭ってしまったら、一刻も早く専門の法律家に相談して早期の解決を図りましょう。
金貨金融に限らず、ヤミ金は様々に形を変えて新しい手口を使って利用者を被害に遭わせます。
「ひょっとしてヤミ金かも?」と少しでも思ったら、一度専門家に相談してみましょう。
相談料は無料です。手遅れになる前に、お気軽にご相談ください。
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