ヤミ金業者は一匹狼ではない
これまたマンガの影響なのか、闇金について「一匹狼のアウトロー」のようなイメージを持っている人も少なくないようだ。
だがこれは完全に見当違い。
確かに一人で、あるいは少人数で他とつるまずに営業してる闇金もあるが、そんなヤツらの売り上げなんてたかがしれている。
闇金でドカンと稼ぐためには、手広くグループ展開することが不可欠だからだ。
たとえばこの世界には、月収が億に届く闇金社長が大勢いる。
そんな人間は例外なく全員が、複数の店舗を運営している。
中には30~50軒もの店舗を持つ社長だっているし、そういう社長連中をまとめ上げて2,000軒もの超巨大グループを作り上げ「会長」を名乗った人もいた。
なぜグループ化が有効かといえば、それは多くの信用情報を収集・管理・運用できるからだ。
たとえば、最近では「消費者金融」なんてインチキ臭いネーミングを手に入れた「サラ金」の連中。
顧客がブラックリストに入ってるかどうか調べる
こいつらは、客が融資の申込みをしてきたら、まず最初に信用情報とのつきあわせを行う。
つまりその客がどこかで借金をしていないか、遅延を起こしていないか、過去に破産していないかといった情報を、信用情報機関に問い合わせるわけだ。
そのうえで、客がブラックリストに載っていないとわかった時点で貸付を行う。
もちろん、ブラック登録されているようならお断りだ。
一方で俺たち闇金は「ブラックであり、他の金融機関からは1円も借りられない客」を相手に融資を行うのが商売だ。
つまり、貸金業協会などが出す信用情報を見ても、何の役にも立たない。
なんせ客はブラックというのが前提なんだから。
とはいえ、闇金もまったく返せるあてのない客に貸すわけにはいかない。
そこで、グループ展開した自分たちだけで顧客の信用情報をリスト化して管理するんだ。
そのリストにはどの店でいくら借りたか、返済はスムーズにいったか、焦げ付いたのかといった情報が記入してある。
つまり闇金も、顧客の信用情報をもとに貸付の可否を判断しているというわけだ。
そしてリストを作るなら、その分母はでかい方がいい。
たとえば10軒ほどのグループ店がある闇金なら全体で数万人もの情報を握ることができる。
これは、商売上ものすごく大事な財産だ。
顧客リストがあるおかげで、たとえその店舗に来たのは初めてという一見の客であっても、どのくらいの余力があるのか、いくらまでなら貸せるのかが判断できる。
結果、焦げ付きは少なくなり利益率も上がるというわけだ。
ヤミ金はグループ化が最良
闇金の運営にグループ化が望ましい理由は、そのリストを持てるという点だけだ。
しかしこれが、最強の武器にもなる。
一匹狼の闇金なんて、どうやってもたかが知れてるんだ。
ここで、闇金の組織について話しておこう。
闇金で働く人間の中で、一番下に位置するのは店員だ。
言うまでもなく店の業務を行う役目。
闇金の一店舗なんて、せいぜい3~8人程度で運営されているから、店には店長と平店員くらいしか肩書きはない。
店長は店の経理を見渡して、店員が悪さをしていないか監視したり、どの店にいくら貸し付けるのか判断するといった業務を行う。
もちろん、毎日出勤する必要がある。
複数店舗を展開しているグループでは、店長達の上に社長がいて、各店からの利益を吸い上げている。
一応、店舗や店長の移動が社長の仕事となるんだが、貸付や回収といった実務はほとんどしない。
要するに、遊んでいるだけで金がしこたま入って来る立場ってわけだ。
だが店舗数が5軒以上になると、社長ひとりでは各店に目が行き届かなくなる。
そこで、店長と社長との間に入って、数店舗の管理・指導をする役職が必要となる。
統括と呼ばれる人間だ。
たとえば7店舗なら2人、10店舗なら3人の統括がいるのが普通だな。
統括もまた、社長と同じで実務にはほとんどタッチしない。
たまに店舗の帳簿をチェックして店長自信が横領していないか確認したり、貸付残高を見て店員にハッパをかけたりする程度の仕事だ。
一般的に「ヤミ金グループ」という場合は、こうした社長以下の組織を指すことになる。
過去には、2,000軒規模の超巨大グループが存在し、社長連中の上に会長が居座っていたが、現在の日本にはそんな巨大組織は残っちゃいない。
その残党はまだ闇金として活動しているものの、組織としては壊滅してるから、それぞれに小さなグループを形成してるだけってことだ。
同じ金融業者というくくりで見た場合、一匹狼とグループ企業のどちらがもうかるか、どちらがローリスクでハイリターンを望めるかは明らかだろう。
だから俺たちは徒党を組む。
仲間とつるんで、客の骨の髄までしゃぶりつくすんだ。
もっとも、闇金に金を借りに来る客なんて、最初から骨みたいな状態なんだが。
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